月末に初フリーマーケット出店予定。ということで、出品する衣類を選出。出るわ出るわ……冬物ばかり。どうしても今の季節の物やもう直ぐ出番が来るであろう夏物は出し惜しみしてしまう。この夏、着るかもなー、なんて思う訳だがきっと着ない。取り敢えずここ2年ばかり袖を通していない服と、サイズが合わなくなってしまった服と、好みではなくなってしまった服を取り出して畳んで箱詰め。全部捌けてくれれば安値でもいいや、と思いリアルレザー物や1点物も混ぜてある。売れ線ブランドも数点。最初はネットオークションに出品し、売れ残った物をフリマに回そうかと目論んだ。が。まず画像を撮るのが面倒臭い。全体像を撮り、ブランドタグを撮り、ポイントとなる箇所または難有りの箇所を撮影。私はネットオークション出品の際は、大抵この3枚をアップする。そして採寸。トップスなら肩幅と着丈。ボトムスならウエストとヒップと着丈または股上と股下。非常に七面倒臭い作業であり、またその衣類と接している時間にその服を買ったときや着たときのことが走馬灯のように思い出され、何だか惜しくなってやっぱり売るのやめよう、なんてことも。画像を撮ったり採寸した時間が無駄である。出品して入札者が入ったところで発送準備。消臭スプレーをかけてから乾かし、丁寧に畳み、1枚目の袋に入れる。ここ迄が発送準備第一段階。終了時間が過ぎたらメールの遣り取りをして、2枚目の袋に発送準備第一段階を済ませた服を入れ紙に落札者の住所氏名などを書いて貼り、入金を確認してから郵便局に持っていく。重さを量るのは前回の出品からやめた。面倒だから全部送料込み。それでもやっぱりまだ面倒。更には画像撮影や採寸をしても入札が入らなかったとき、これは悲惨。時間だけでなく出品料も無駄である。無事に取引が済んだと思っても動物の毛を取り除き切れなかったり、煙草の匂いに敏感な相手だったりするとお叱りを戴いたり。最初から出品者である私はペット飼いの喫煙者であると明記していても、だ。幸いなことに今迄に郵便事故の経験はないけれど、こちらが出品者の立場だと相手からの届きましたメールまたは評価が入る迄、気が気でない。禿げそうに疲れる。ので、フリーマーケット。画像も撮らなくていいし、採寸も不要。楽ちん。恵まれたことに最寄り駅前での開催もある。問題は上手くお客さんの相手をできるか、だ。フリマに行って値切って買い物した経験は何度となくある。しかし今度は値切られる側。お互いに嫌な気持ちにならずに売ることができるか、全く以って自信がない。オークションは自分が決めた最安値から他者が勝手に値を上げていってくれるけれど、フリマではそんな夢のような事態は起こり得ず、ひたすら値切られるだけである。当然それは考えた。しかし手間をかけてそこそこの額を得るよりも、薄利多売でいこうと決意。

 またこの背景には、違う側面もある。ネットオークション慣れしている私。ということは、それなりに売買をしてきたということに等しい。そしてそれは、私の衣類の中にはネットオークションで買った物も多数含まれている、ということである。最近ネットオークションを覗いていてよく目にする言文。こちらで譲っていただいたのですがサイズが合わず、とか、こちらで譲っていただいたのですが趣味が変わり、とか、こちらで譲っていただいたのですが似た服を買ってしまい、など。最初のは試着できない以上、仕方がないことだと思う。真ん中のはまあネットオークションそのものの歴史が長くなるにつれ参加者も歳を重ねるのだし仕方がないことかもしれない。でも最後のって……。気持ちは解る。私も似たテイストの服を買いがちだ。アオザイとか、アオザイとか、アオザイとか。しかし、似た服を買ったからやっぱり要らない、と公共の回線上で書く勇気が私にはない。書けてしまう人は凄いなあ、と思う。悪い意味で。買った物をどうするか。それは買った人の自由だ。自由なのだけれど、何というかこう、気遣いのない人だなあ、という印象を受けてしまう。以前、ネットオークションで冬物のジャケットを落札したことがある。その人は最低落札価格を設定しようとして、希望落札価格にその金額を入力してしまった。その商品は1度目の出品では売れ残り、2度目で出品者はこの失敗をしてしまった。私は勘付いていた。けれど指摘せず、開始価格そのままで落札した。そしてメールで遣り取り。出品者はそのジャケットをとても気に入っており、けれど衣類は増え、売ることをかなり躊躇っていたらしい。だから最低落札価格を設定しようとした。だが、操作を間違ってしまった。出品者の思い入れをメールで読み、私は辞退を申し出た。その出品者は操作を間違った私が悪いのだし、黒猫さんならこのジャケットを大切に着てくれそうだから、と譲ってくれた。勘付いていたのに指摘しなかったことをやや恥じつつも有難く譲ってもらい、そのジャケットは毎冬活躍し、周囲からも好評を得ている。

 こんな売買を経験してしまうと、こちらで譲ってもらったけれど最近似た服を買ってしまったから、とか、箪笥の肥やしになっているので、などとは書けない。以前の持ち主のことを考えてしまう。買った人の自由なのだけれど……。私もオークションで落札した物を再出品したことがある。それはサイズが合わなかったからだ。落札から数年を経て趣味が変わった場合なら、もしかしたらその旨を書いて出品してしまうかもしれない。でも、できるだけそんなことは避けたい。例え要らなくなってしまったとしても、元の持ち主が不快になる可能性のある言文は書きたくない。そんなときはフリマに出してしまう方がいいと私は考えている。落札価格がそれなりに高かったとしても、フリマでは安価で買い叩かれてしまうとしても。それが買った者の礼儀だと思っている。画像の使い回しなんか以ての外だ。自分が出品し落札された衣類が、落札者によって再出品されていたのを見かけたことがある。けれどそこには悲しくなるような文章はなく、それは仕方ないね、と思える書かれ方だった。取引も売買も対等な立場で、気持ちよく行いたいものである。はてさて私はフリマに於いて気持ちいい出店者になれるだろうか。まず願うのは、梅雨だけれど月末は晴れてくれることだ。

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