現在、5月10日。

 一昨日、10年以上の付き合いになる友人とメッセで会話。うちの近所で行われている工事について散々愚痴を溢させてもらった。菓子折りは勿論のこと挨拶のひとつもなく、建て壊し及び再建築がいつの間にか開始された。これがまた煩い。激しく煩い。難聴になったり気狂いになっりしたら診断書付の内容証明で慰謝料を請求しよう! と、うちのと怒りあう程に煩い。私が日常の中で一番長くいるこの場所、PCデスクから直線距離にして20mもない場所で朝から晩迄ドンガラと騒ぎ立てる。やり場のないこの怒りはいつ迄続くのか。あんなこんなの私のストレッサーについて話して友人に、ストレスはないか? と訊いてみた。友人は、ストレスは特にないけれど楽しくない、とのこと。突っ込んで話を進めていくと、予め誰かが用意した、ほらコレは楽しいことだよ、的な物に対して一切楽しさを見出せないとか。これは私も同じなので気持ちはよく解るつもり。遊園地や大作と呼ばれる映画など、殆ど面白いと思えない。ほらココが叫ぶところ、ほらココは笑うところ。そんなのは人それぞれであり、いちいち反応すべきところをセッティングされているものは詰まらない。こういう共通点がこの友人と長く続いているポイントのひとつなのかな、と思った。で、そんな風に他者に楽しいという感情を半ば強要された何かを楽しめない者は、もっと違うものに楽しみを見出すしかない。これがなかなか難しい。そこで私が提案したのは、ランナーズ・ハイのようなものを求めたらどうか。生活から適度に距離があるもの。密着しすぎていてもよくないし、離れすぎていてもよくない。私がヨガやウォーキングを始めたように、友人も走ったりしてみてはどうか、と。すると友人は前々からヨガに興味があったと言い出した。流れは然るべくして私が通い始めた教室の話になる。URLを送り、行ってみての感想や長所・短所を話した。彼女の家からも遠くないこともあり、1度体験レッスンに行ってみようかな、となった。彼女は彼女でヨガ教室を探していたらしい。そして幾つかの教室に1日体験を申し込んだり申し込もうとしたりしたが、なかなか上手く行かなかったようだ。というのも、友人の仕事には定休日というものが存在しない。シフト制なので休みがまちまちであり、勤務時間もまちまちであり、毎週決まった時間にレッスンを受けるのは不可能なのだ。この難点に私が通いだした教室は、無期限のチケット制導入で上手く対応している。

 そんな話をした翌日である昨日、うちのと共に2回目のレッスンに行ってきた。私たちが行った回の前はそれなりの生徒さんがいて、私たちが受けた回の生徒はうちのと私のふたりだけ。良かった。大人数でのレッスンはなるべく避けたい。私は口呼吸が身についていて鼻呼吸は意識しないとできず、呼吸に意識を集中するとポーズが上手く取れない。それ以前に体が硬いので呼吸云々を別にしてもポーズは下手だ。他の生徒さんの足手纏いになることは想像に難くない。レッスン開始から暫くすると自分の世界に入る。隣にいるうちのが気にならなくなる。が、先生の声を聞いていると、どうやらうちのも、体が硬かったり男性特有の骨格及びぽっちゃりした体型についている贅肉が邪魔をして、上手くポーズを取れていないらしい。もしかしたら先生からのアドバイスは私へのものより、うちのへのものの方が多かったかもしれない。私は独学していたことが多少なりとも役立っているようだ。立ちポーズが一通り終わると、水飲み休憩。そのとき先生に、貴方方は日本一体が硬いカップルかもしれない、と苦笑された。私は、日本一体が硬い、と言われ慣れているのだが、うちのにはショックだったようだ。けれどこの話やレッスン中の会話で、この先生がいい先生だと思った。体が硬く呼吸も下手な生徒は、教える側にしたら厄介だ。なのに厄介払いをしようとはせず、何かのポーズにふたりして苦戦しているときに、これは教えるこちらの課題ですね、と言っていた。体が硬い=ヨガに不向き=いない方がマシな生徒、ではなく、厄介な生徒=教える側が勉強しよう、と考えてくれるのは嬉しい。また口呼吸が身についている私に、鼻の通りが良くなる市販薬も教えてくれた。この日記を書き終えたら、それを買いに行く予定。それにしても私は腹筋を使うポーズが悉くできない。生まれてこの方、仰向けに寝て頭の後ろに手を置き腹に力を入れて臍を見る腹筋運動はできるけれど、上体を起こす腹筋運動はできたことがないのだ。背筋については問題ないようだけれど。腹筋と膝を伸ばすことが目下の課題である。鼻呼吸とポーズが連動しないことを相談すると、まずはポーズを覚えてそれから鼻呼吸を合わせるようにした方がいい、とのこと。次回からは余裕を持ってできるポーズのときのみ鼻呼吸を意識して、それ以外では遠慮なく口呼吸でやらせてもらうこと決定。

 レッスン後、うちのとお茶を飲んで外食して帰宅。お茶を飲みつつ話しているときに、ひとつ気付いたこと。私は寝ポーズのときに方向転換をして屍のポーズに移る際にくらくらする。三半規管が弱いんでしょうかね、などと先生と話していた。うちのは、ホットヨガ故に暑さの所為もあるのではないか、と言っていた。それで成程、と。屍のポーズに移る際のくらくらは何かに似ていると思っていた、その謎が解けた気がした。バスなどの乗り物は大概涼しめの温度設定になっている。その方が乗り物酔いを避け易いからだ。暑い車内は酔いを増幅させる。何かに似ている、の正体は、暑い車で本格的に酔う間際の感覚、だった。元々が乗り物酔いし易い体質。納得である。ヨガは自律神経に訊くという。先生曰く、片足で立つポーズは特に自律神経の弱まりに効くらしい。自律神経と三半規管は関係しているのかどうか、私はまだ知らない。自律神経が正常になるうちに三半規管も強くなればいいなあ、と思った。また先生はPDについても調べてくれたらしい。うちのが言うには、病気持ちの生徒に何かあったら困るからだろう、とのことだが、私は入ったばかりの生徒への気遣いと受け取り、嬉しくなった。ただやはりまだまだ先生のPDへの理解は甘い。PDといえば広場恐怖が主な症状であり、やはりそこに着目してしまったようだ。私のは親との諸々で、主に精神的衝撃を受けたときに発作が出ると説明した。尤も、最近は騒音ストレスの為か、日常的に予期不安状態が続いているのだが。騒音から離れ、暑い教室で文字通り滴る汗をかいた後は気持ちがいい。久々に昨日は熟睡できた。良き哉、良き哉。

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