現在4月2日。

 昨日友人とメッセで話していたら、小雪のオーラが欲しい、なんぞと言い出した。小雪とはモデル上がりで現在は女優として活躍している女性のことだ。私にとって小雪とは、四角い人、でしかない。因って、なんであんな四角くなりたいの? と訊ねた。彼女は別に四角くなりたい訳ではないらしい。なんというか、透明感? そんなものを小雪に感じ、そのオーラが欲しいと言う。解らん。四角いオーラしか感じない……。藤原紀香は中央集中オーラしか感じず、セクシーだの健康美だの、増してや峰不二子を感じない。あくまで、真ん中密集パーツ、だ。だからオーラもそれになる。同じように、小雪が発しているのは四角オーラだとしか思えないのだが、彼女にとっては透明感らしい。そしてその小雪オーラの源として、野菜ばかり食べていそう、と感じた彼女はシチューを作ったと言う。クリームシチューで、具はブロッコリーとスナックエンドウとマカロニ。作る迄は小雪をイメージし、作っている最中からは何故か男の料理になってしまい、あれこれと手を加えたものの失敗してしまったらしい。料理の失敗はともかくとして、小雪のオーラが欲しい、という発言に安彦麻理絵を思い出した。最近読んだ彼女の漫画に、顔は中谷美紀で雰囲気はジェーン・バーキンになりたい、という科白があったからだ。友人は私と同い年、安彦は30代半ばである。安彦の近影を見るに中谷美紀とはお世辞にも言えず、友人も小雪のオーラを持ち合わせてはおらず、もっともっと意志が強そうなイメージである。中身はちょっと違うのだが。それにしても女って成長しない……。そして常にないもの強請り。

 そんな私も同じようにないもの強請りである。私の顔立ちはスッキリサッパリ系だ。体は幼児体型。コンプレックスは乳のなさ。なので巨乳小悪魔系に憧れる。露骨な小悪魔で例えるなら、広田レオナ。強か小悪魔で例えるなら広末涼子。特に広末は強かにも清純にも取れそうでお得感がある。こんなところでお得を求めてどうするよ、というのは棚に上げる。でまあ、露骨な例の広田レオナだ。独断で赤口紅が妖艶に見える女性ナンバー1。黒のシースルーのベビードールが似合う女性ナンバー1でもある。私が赤口紅を塗ると、お嬢ちゃんママのコスメをイタズラしちゃダメよ〜になり、黒ベビードールなんか着た日にゃあバケツで塩水をぶっ掛けられることだろう。自覚はある。私はどう転んでも広田レオナにはなれない。ならば広末でどうだ……も何も、あれは外見ではなく天性の小悪魔オーラだ。しかも小悪魔だけでなく天使オーラも出し入れ自在。広田レオナと広末涼子の共通点は、どちらも肉が好きそう、だ。私との共通点発見! って食生活だけであんな色気が出せる筈もない。後10cm乳がでかければ人生違っていたかもなあ、と常々思っている。むしろ違っていたに違いない。2cm3cmでは今と変わらないだろう。10cm! カップにして後3ランク上! 整形以外で乳を10cmでかくする術があるなら私はどんな努力も惜しむまい。ケツは立派だ。自画自賛になるけれど、パンツがパシッと決まるケツをしている。それだけに乳のなさが目立って見える。どう足掻いても問題は乳に帰結する。

 今日、数年ぶりにダイエット本を購入してきた。昔買ったダイエット本はダンベル体操と食生活を取扱ったもの。今日のは1mウォーキングの本だ。ダイエットをする為に買った訳ではない。肩凝り腰痛及び姿勢の悪さを矯正したいのだ。小悪魔は姿勢が良さそうな気がする。猫背になるのはバーのカウンターのみ! いや、バーなんて行かないんだけど。今は呑めないし。まあ姿勢を良くするところから、自分自身に何か変化があればいいなあ、と。いい音楽は綺麗な生活から、ではないけれど、姿勢を良くすることで活発さを多少なりとも取り戻し、肩凝り腰痛などという生活染みた悩みを解消しよう、という目論見だ。小悪魔に生活感は不要。生活そのものは営まなければならないけれど、雰囲気から生活感が滲み出てはならないのだ。姿勢が悪いと生活感があるように見える。姿勢が良いとそれが薄れる気がする。気のせいかもしれないけれど、そう思ってしまったのだから仕方がない。だからまず姿勢矯正である。

 親が少し前に、杖をつかないと歩けない、と言っていた。それが3週間ばかり整体に通い、何もなくても歩けるようになったばかりか体に柔軟性迄つけた。しかしその整体は実家の近くであり、ということはうちからは遠い。なのでできることからコツコツと、の精神で姿勢矯正。小悪魔は健康そうな気がする。病院というところは不健康な人が集まる場であり、不健康というのは生活感がある気がする。今通っている病院はともかく、その他の病院には近づきたくない。そして小悪魔は歯並びはさて置き、白い歯をしていそうである。煙草は吸うけれど白い歯。虫歯の存在は小悪魔には禁忌だ。虫歯を治療しなければ小悪魔にはなれない気がしてきた。歯医者に行かねば。しかし私の想像する小悪魔は凄い。不健康な生活をしつつ物凄く健康そうだ。今のところ、パッと見の雰囲気での小悪魔オーラに憧れている私。叶う日なんてこないとは思うけれど、きてしまったら部屋も小悪魔っぽくしなければ気が済まなくなりそうである。黒と紫ベースのデコラティブなアナスイの雰囲気を持った部屋か、赤と黒と白をベースにしたシンプルな部屋か。生成りや茶色は使わなさそうである。所帯染みた花柄も論外だ。これって物凄く金がかかるのではなかろうか。それでもやってのけてこその小悪魔なのだろうなあ。ああ、健康グッズなんかもあってはならないだろう。靴もスニーカーやビルケンなんかは絶対に履かず、最低5cm以上のヒールばかり履いていそうだ。なのに良い姿勢。日々の入浴はきっと常にバブルバス。香りは薔薇だな。決して六一○ハップなんか使わない筈だ。そのバブルバスの中でボディブラシで軽く洗うだけだろう。……書いていて凄い思い違いが混ざっていそうな気もしてきたけれど気にしない。小悪魔になりたい。小悪魔オーラの魅惑を振り撒きたい。そんなことを思う20代後半の春。小雪オーラを目指す友人の方が健康的に思えてきた。

BGM/アルバム「見知らぬ世界」

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