現在10日日中。
遡るは1年半程前のこと。某巨大掲示板住人が頑張っている某プロジェクト参加者の一部が都内某所にてオフ会を開いた。某所某公園にて各自要らないPCパーツを持ち寄って自作機を作ろう、そして作られたPCを女性優先で差し上げましょう。当時の私が使っていたPCはガタがきたFMVのノート。某プロジェクトに参加するにも、1リザルト提出に凡そ10日を要するような低スペックな代物。現在は我が家で、板、と呼ばれて放置されている。放置されているということは使われていない訳であり、私のメイン機はそのオフで頂戴したPCである。そのとき完成した自作機の中で2番目に良い物だった。PC頂戴にあたっての条件、それは基本的にPCを24時間稼動させること。このプロジェクトは白血病解析であり、PC稼動中の余力を使って宿題を解析・提出して、まあヒトは何もせずとも人類の白血病患者の今後の為に役に立ちましょうよ、というものだ。上記条件でP4機なんて身に余る素晴らしいPCを戴けてしまい、条件通りに再起動時や数日留守にするとき以外は就寝中であろうが出掛けていようがPCフル稼働させていた訳で、身に余る素晴らしいPC故にいろんなものをDLしたりうぷしたりと使いに使い込み、2月29日付日記のように……逝った。
PCに依存している私としては困り果てて取り敢えずうちのの現在のメインPCから1年半前のオフ幹事のサイトに助けを求めた。電源が入りません、と。この時点で後日幹事氏が、十字軍、と名付けたPC復旧の為の勇者が集まり始めた。勇者以外にもマザーボード提供を申し出てくださる方もいて皆に多謝。そして話は6日に飛ぶ。都内某所に集合した十字軍の方々をお迎えに行き、タクシーで我が家へ。汚部屋に入ってもらいPCタワー解体。原因はやはりマザーボードのコンデンサ。瞬く間に居間兼寝室が工場と化した。まずはPC内部の掃除から。24時間稼動の場合、3ヶ月に1度は掃除推奨らしい。マトモなPC稼働時間でも年に1度は掃除した方がいいとか。それでも私なりに掃除をしたつもりだった。けれど所詮は素人であり、何処を何処迄バラして掃除していいものか判らず、結局は全体にエアダスターを噴射して出てきた埃を払う程度。その道に精通した十字軍の方々は各部をバラして外へ。それはもう土に見紛うような埃がめっさ出たとか。恥ずかしい限り。更に恥ずかしかったのはタワーの内側変色。私は熱で焼けたんだなあ、くらいにしか思っていなかったけれど正体は脂だった。十字軍は非喫煙者で構成されており、これまた赤面物。今回の解体で今迄よりも少しだけ中のことが判ったので、今後はもう少しマシな掃除をしようと僅かに決意した。
さて問題のマザーボードのコンデンサ。私の目視による問題箇所は液漏れが3本のみだったけれど、実際には5本。そして液漏れだけでなく膨張も発生していた。私の思う、膨張、とは10年物や20年物の缶詰のような全体的膨張であり、付け根のところの部分的膨張迄はチェックしていなかったのだ。言い訳させてもらうと、コンデンサは指で少し触っただけで揺れ動く接着になっており、何処迄倒して目視確認していいかの判断ができず、液漏れ3本というのはコンデンサに触れずに目視した段階でのことだったのだ。十字軍の方々は画像を撮ったり小動物らを愛でたりしつつも素早くコンデンサを交換してくださった。5本を交換し終えて動作チェック……の最中、電源が逝った。急遽電源そのものを買出しに行ってくださり、電源は重くてナンボ、と教えていただきつつ新電源で再度動作チェック……をした途端にマザーボードそのものが逝った。要するに、あちこちにガタがきていたのだ。それに気付かず騙し騙し使い続けてしまっていたことでガタに拍車をかけ、遂には十字軍の方々にも手に負えなくなってしまった次第。無知は罪。逝った悲しみに私は半ば放心。そんな私を余所目に十字軍の方々はその後の呑み会に行くべくチャッチャカと後始末。私はドクターストップにつき呑めないことと前日徹夜していたことから、呑みはうちのに任せて軽食を摂り就寝。
この日、修理されるマザーボードをまじまじと見ていた訳だが、十字軍の方々と私のマザーボードの見方は全く違っていた。様々な回路や部品で構成されているマザーボード。十字軍の方々はそれら回路や部品の意味を当然の如く把握されていた。うちのも大体は理解できていた。全く何が何やらなのは私ひとり。その私が見たマザーボードは宛ら、レゴブロックで作られた工場のある町、だった。ファン(?)は工場本体、その隣の長細いのは塀、端に並んだ幾つかの四角い立体は事務所、など。レゴブロックに見えた私としては、事務所の一軒が金属なのが非常に不満だった。他の事務所はプラスチックなのに何故この一軒だけがそうではないのか。統一性がないではないか。勿論、マザーボードはレゴブロックではないし、マザーボードとして機能する上で部品の外観はどうでもいいことである。ただ、未知なる世界を垣間見た原始人がソレをソレとどうして理解できようか。私には各部の持つ意味が解らず、強いてPCと結びつけるならばシンクタンクを模した箱庭か。
子供の頃、電化製品や電気器具が気味悪かった。各々の役割は理解できている。テレビはアンテナで電波で映像や音声を受信してブラウン管に映す物、掃除機はコンセントとプラグで電力を引いてゴミや塵埃を吸い取る物。しかしその構造が解らない。何故この機械がそのようなことができるのか。箱の中を知らずに、何も疑問を持たずに、文明の利器の数々を使用・利用して生活することが恐怖だった。自分の周辺の物の全ての理屈を理解したくて堪らなかったのだ。だからといって何ひとつとして分解はしなかった。分解したところで、今回のマザーボードと同じく私に各部品の役割が理解できるとは思えなかったし、分解後に再構築できるとも思えなかったから。現にマザーボードの修理過程を終始見学させてもらい、更に詳しい解説をしてもらったにも拘わらず、私にはマザーボードに於けるコンデンサの意味も役割も理解できていない。マザーボードの外観に社会のハードの縮図を見てハードの中のハードだかソフトだかが壊れると社会として機能しなくなる、電源も壊れたことで社会の断絶をも縮図として見た。こんな感想である。私には機械というものへの資質の何かが決定的に欠けているらしい。
服装/セレクトショップの水色×白水玉長袖オフタートルカットソー+青の粗編みロングベスト+Spick&Spanグレーストレッチパンツ+インポート物グレーのコート+PATRICK紺のスエードスニーカー+のだめトート
メイク/下地+ピエヌのライトブローマスカラ91+ピエヌのディープラッシュマスカラ19+ランコムのシャドウパレットのブル系ー2色+ランコムのブラッシュフォーカス13
BGM/アルバム「無限の住人」
遡るは1年半程前のこと。某巨大掲示板住人が頑張っている某プロジェクト参加者の一部が都内某所にてオフ会を開いた。某所某公園にて各自要らないPCパーツを持ち寄って自作機を作ろう、そして作られたPCを女性優先で差し上げましょう。当時の私が使っていたPCはガタがきたFMVのノート。某プロジェクトに参加するにも、1リザルト提出に凡そ10日を要するような低スペックな代物。現在は我が家で、板、と呼ばれて放置されている。放置されているということは使われていない訳であり、私のメイン機はそのオフで頂戴したPCである。そのとき完成した自作機の中で2番目に良い物だった。PC頂戴にあたっての条件、それは基本的にPCを24時間稼動させること。このプロジェクトは白血病解析であり、PC稼動中の余力を使って宿題を解析・提出して、まあヒトは何もせずとも人類の白血病患者の今後の為に役に立ちましょうよ、というものだ。上記条件でP4機なんて身に余る素晴らしいPCを戴けてしまい、条件通りに再起動時や数日留守にするとき以外は就寝中であろうが出掛けていようがPCフル稼働させていた訳で、身に余る素晴らしいPC故にいろんなものをDLしたりうぷしたりと使いに使い込み、2月29日付日記のように……逝った。
PCに依存している私としては困り果てて取り敢えずうちのの現在のメインPCから1年半前のオフ幹事のサイトに助けを求めた。電源が入りません、と。この時点で後日幹事氏が、十字軍、と名付けたPC復旧の為の勇者が集まり始めた。勇者以外にもマザーボード提供を申し出てくださる方もいて皆に多謝。そして話は6日に飛ぶ。都内某所に集合した十字軍の方々をお迎えに行き、タクシーで我が家へ。汚部屋に入ってもらいPCタワー解体。原因はやはりマザーボードのコンデンサ。瞬く間に居間兼寝室が工場と化した。まずはPC内部の掃除から。24時間稼動の場合、3ヶ月に1度は掃除推奨らしい。マトモなPC稼働時間でも年に1度は掃除した方がいいとか。それでも私なりに掃除をしたつもりだった。けれど所詮は素人であり、何処を何処迄バラして掃除していいものか判らず、結局は全体にエアダスターを噴射して出てきた埃を払う程度。その道に精通した十字軍の方々は各部をバラして外へ。それはもう土に見紛うような埃がめっさ出たとか。恥ずかしい限り。更に恥ずかしかったのはタワーの内側変色。私は熱で焼けたんだなあ、くらいにしか思っていなかったけれど正体は脂だった。十字軍は非喫煙者で構成されており、これまた赤面物。今回の解体で今迄よりも少しだけ中のことが判ったので、今後はもう少しマシな掃除をしようと僅かに決意した。
さて問題のマザーボードのコンデンサ。私の目視による問題箇所は液漏れが3本のみだったけれど、実際には5本。そして液漏れだけでなく膨張も発生していた。私の思う、膨張、とは10年物や20年物の缶詰のような全体的膨張であり、付け根のところの部分的膨張迄はチェックしていなかったのだ。言い訳させてもらうと、コンデンサは指で少し触っただけで揺れ動く接着になっており、何処迄倒して目視確認していいかの判断ができず、液漏れ3本というのはコンデンサに触れずに目視した段階でのことだったのだ。十字軍の方々は画像を撮ったり小動物らを愛でたりしつつも素早くコンデンサを交換してくださった。5本を交換し終えて動作チェック……の最中、電源が逝った。急遽電源そのものを買出しに行ってくださり、電源は重くてナンボ、と教えていただきつつ新電源で再度動作チェック……をした途端にマザーボードそのものが逝った。要するに、あちこちにガタがきていたのだ。それに気付かず騙し騙し使い続けてしまっていたことでガタに拍車をかけ、遂には十字軍の方々にも手に負えなくなってしまった次第。無知は罪。逝った悲しみに私は半ば放心。そんな私を余所目に十字軍の方々はその後の呑み会に行くべくチャッチャカと後始末。私はドクターストップにつき呑めないことと前日徹夜していたことから、呑みはうちのに任せて軽食を摂り就寝。
この日、修理されるマザーボードをまじまじと見ていた訳だが、十字軍の方々と私のマザーボードの見方は全く違っていた。様々な回路や部品で構成されているマザーボード。十字軍の方々はそれら回路や部品の意味を当然の如く把握されていた。うちのも大体は理解できていた。全く何が何やらなのは私ひとり。その私が見たマザーボードは宛ら、レゴブロックで作られた工場のある町、だった。ファン(?)は工場本体、その隣の長細いのは塀、端に並んだ幾つかの四角い立体は事務所、など。レゴブロックに見えた私としては、事務所の一軒が金属なのが非常に不満だった。他の事務所はプラスチックなのに何故この一軒だけがそうではないのか。統一性がないではないか。勿論、マザーボードはレゴブロックではないし、マザーボードとして機能する上で部品の外観はどうでもいいことである。ただ、未知なる世界を垣間見た原始人がソレをソレとどうして理解できようか。私には各部の持つ意味が解らず、強いてPCと結びつけるならばシンクタンクを模した箱庭か。
子供の頃、電化製品や電気器具が気味悪かった。各々の役割は理解できている。テレビはアンテナで電波で映像や音声を受信してブラウン管に映す物、掃除機はコンセントとプラグで電力を引いてゴミや塵埃を吸い取る物。しかしその構造が解らない。何故この機械がそのようなことができるのか。箱の中を知らずに、何も疑問を持たずに、文明の利器の数々を使用・利用して生活することが恐怖だった。自分の周辺の物の全ての理屈を理解したくて堪らなかったのだ。だからといって何ひとつとして分解はしなかった。分解したところで、今回のマザーボードと同じく私に各部品の役割が理解できるとは思えなかったし、分解後に再構築できるとも思えなかったから。現にマザーボードの修理過程を終始見学させてもらい、更に詳しい解説をしてもらったにも拘わらず、私にはマザーボードに於けるコンデンサの意味も役割も理解できていない。マザーボードの外観に社会のハードの縮図を見てハードの中のハードだかソフトだかが壊れると社会として機能しなくなる、電源も壊れたことで社会の断絶をも縮図として見た。こんな感想である。私には機械というものへの資質の何かが決定的に欠けているらしい。
服装/セレクトショップの水色×白水玉長袖オフタートルカットソー+青の粗編みロングベスト+Spick&Spanグレーストレッチパンツ+インポート物グレーのコート+PATRICK紺のスエードスニーカー+のだめトート
メイク/下地+ピエヌのライトブローマスカラ91+ピエヌのディープラッシュマスカラ19+ランコムのシャドウパレットのブル系ー2色+ランコムのブラッシュフォーカス13
BGM/アルバム「無限の住人」
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