昨夜の夕食のメインメニューはジンギスカン丼。初挑戦のオリジナルメニューである。今、近所のスーパーで北海道フェアなるものをやっており、ラムの切り落としパックが売っていたのだ。徒歩圏内のスーパーでラムを扱うところは他にもあるが、普段からここではラム肉に力を入れているようで、丸いジンギスカン用の肉は勿論、たれ漬け込みのパックも常備されている。羊好きの私にとっては大変に嬉しいスーパーだ。ただ通常時は、切り落とし迄は陳列されていない。で、買ってきた切り落としをフライパンで炒めて塩胡椒し、フライパンを傾けてキッチンペーパーを2枚使って脂を取り、ベルのたれを全体に回して暫く放置。その間に丼にごはんを盛り、その上に炒めたラムを乗せてフライパン内に残ったたれをかけて終了。大変に簡単だった。しかし初挑戦。キッチンペーパーで吸収したとはいえ脂の多いラム肉。下手を打ったら脂ギトギトで食べられた物ではなくなる諸刃の剣。出来上がりとほぼ同時にうちのが帰宅。そして一緒に食事。食べ始めから暫くして本当に同時に、なかなかいけるね、と。余りのタイミングの良さに、これが阿吽の呼吸か? などと長年連れ添った夫婦気分。そこから丼物についての話題。

 当然その矛先は吉野家へと向かう。牛丼がなくなって最初に打ち出したのがカレー丼でそれ以来迷走している、と。なかなかに今回のジンギスカン丼を気に入った模様のうちのは、売り込んでみれば、と冗談半分に言い出した。そして私は考えた。吉野家が何故現在迷走状態にあるのか。吉野家のメイン食器は丼である。そして調理器具は炊飯器(?)と寸胴(?)が主力と見ている。今迄これらを使って牛丼メインでやってきて、切り替えるにも初期投資を避けたいが為に今ある食器や調理器具を活用しようとして迷走状態にあるのではないか。して今回私が作ったジンギスカン丼が吉野家で早い・美味い・安いの三大条件をクリアして作れるかを脳内シミュレート。美味い・安いはクリアできると思う。問題は早い=調理スピードだ。これ迄吉野家が早く注文品を出せていたのは、牛丼の具を寸胴(?)に大量に作っており、注文を受けてすぐに炊飯器(?)から白米を丼に盛り、調理済みの具を乗せていたからだ。牛丼の具は適度に煮詰めた方が美味しい。私が作ったジンギスカン丼は煮詰めて作るものではない。煮詰めたら絶対に確実に漏れなく不味くなる。因って現在の吉野家のメイン調理器具で対応できる商品とはなり得ないという結論に達した。どちらかといえば、定食にも前々から力を入れてきていた松屋向きメニューと言えようが、松屋は放っといてもこのまま吉野家が迷走を続けていれば、半年後には業界トップになると予測しているので売りこむ迄もなし。そもそも売り込んだところで採用されるとは限らないし、採用されたとして北海道以外ではまだまだ羊肉は牛・豚・鶏に比較してマイナーな存在なのでさほど注文も取れまい。それ以前に売り込みに行くのが面倒だし、我が家のオリジナルメニューとして温存したい。因みにこのメニューをもしどこかの企業が作ってみたいと思ったらご一報ください。メールアドレスを探す方法やアクセスする方法もいろいろありますので。なんちて。

 昨今の牛・鶏の規制を受けて、どう表現すればいいのだろう……精肉業界駝鳥部門? が活発な動きを見せ始めているという記事をヤフーのニューストピックスで読んだ。駝鳥の刺身を以前何処かの呑み屋で食したことがあるが、余り美味い物とは思えなかった。駝鳥よりはまだメジャーなラムやマトンや鴨に力を入れて欲しい。私は牛・豚・鶏よりも羊や鴨の方が好きだから。学生時代の同級生に、羊がどうしても食べられないという子がいた。クセがあるからとか脂が多いからという理由ではなく、子供の頃に親と行ったどこぞのファミリー牧場で生きた羊を見た後の食事に羊が出てきて、さっきの羊が……とトラウマになったそうな。ファミリー牧場的場所に私は行ったことはないけれど、確かに生きる為に生き物を食べる必要性をちゃんと理解していなかったり、理解していても繊細な子供にとってはトラウマになりかねない場所であろう。あの乳牛のミルクでできたアイスクリームですよ〜! ならば乳牛はまだ生きているので、牛さん有難うと食べられようけれど、同じ牛だとして、あの牛さんを捌いて焼いた肉ですよ〜! ならば生きることの残酷さを見せ付けられた子供皆が生き物の宿命と捉えられるとは思えない。少し前に見た牛と出された牛が違う個体でも連想してしまうだろう。話が逸れた。幸い私にはその手のトラウマはないので、精肉業界の羊部門・鴨部門の方々に頑張って各種肉の一般化に励んでいただきたい。これもまた逸れているか。

 近所のスーパーの北海道フェアは今月いっぱいなので、今日明日中にラムの切り落としをまとめ買いしておく予定である。ジンギスカン丼ならば丸肉でも良さそうだが、ラムカレーには切り落としの方が良さそうだから。そう、今度はラムカレーに初挑戦しようという目論み。マトンカレーも好きだし、ラムなら肉も柔らかくマトンよりももっと美味しいのではないかと期待している。できればマトンでも作ってみたいけれど、今回の北海道フェアではマトンは扱われていなくてやや残念。因みに、北海道といえばジンギスカン、という発想で今回のフェアに於いて羊に力を入れているようだが、扱われているラム肉はオーストラリア産だったりする。ご愛嬌か。北海道出身のうちのにこのスーパーのチラシを見せて、この中で欲しいものはある? と訊いた。懐かしく感じられるかもしれないお菓子類などもあったからだ。うちのが、コレ! と言って指差したのは1杯2500円の毛蟹。阿呆か! 何の記念日でもないのにそんな高い食材が使えるかってんだ! じゃあコレ、と指差したのは1尾78円の秋刀魚。旬じゃないだろ……。やはりラム切り落とし纏め買いだけだな。あ、ソラチのたれが気になる。しかしうちにはベルのたれが開封済み1本、未開封1本と余っている状態。ソラチのたれ……欲しい。でもベルのが……悶々と悩む週末になりそうだ。

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