現在3日深夜。

 昨日は昼前に起床→食事→入浴→着替え・化粧→デート、という年相応の1日だった。再度の初夢はまたまた最悪だったがもう気にしない。今年も初夢は見なかったことに、脳内記憶改竄する。デートらしいデートをしたのなんてどれくらいぶりだろう……。思い出せない程遥か昔の話である。デートコースは初詣→お茶→買い物→映画鑑賞→夕食。お手本のようなデートで大変に新鮮な1日だった。出かける前に小競り合いがあったのは気にしない。今年初であり且つ久々のデート故に気合を入れてお洒落した。うちのの反応。その服、いつ買ったの。細かいことは気にしないでもらいたい。いつでもいいではないか。かわいい恰好をしている今、そのときを褒めれ。初詣は近所の神社に。2日の夕方ということもあり、小さな神社ということもあり、がらがらだった。おみくじは吉。お賽銭を入れて、今年のお願い。心身共に健康になりますように。私とうちのと小動物2匹が何事もなく過ごせますように。お茶を飲もうと行った店がまだ昨日は開いておらず、さて困ったな、と思ったところで視界に入ってきた無国籍料理の店に入ってみた。これが当たり。非常に凝った内装で雰囲気が良く、お値段も手頃。こんな穴場には落とし穴がある筈だと思うも、注文したデザートセットも美味いときたものだ。幸先のいい初外食であった。その後、映画館に行くために乗った電車内で、今年初の発作勃発。座って胸を押さえて俯いて、肩で息をしつつ目標駅まで耐え凌いだ。駅で一休みして、デパートのコスメ売り場やうちのの愛用している眼鏡屋を冷やかして映画館へ。

 目当ての映画は「アイデン&ティティ」。漫画や小説が原作の実写映画で当たりだったことは本当に少ない。けれどもこれは大当たり! 観に行った最大の目的は愛しの君の出演シーン。1回目はピンで簡単なインタビューに答えており、2回目は年末に脱退したドラマーも含めてバンド全員で一瞬だけ出演。私は愛しの君を観たくて出かけたので、最初の5分で気が済んでしまった……と思いきや、どんどんストーリーに呑み込まれていった。原作と違う! と憤ること皆無。これは役者の人選が良かったことが多大に影響していると思う。出てくる主要役者全てが、原作の絵に忠実なのだ。こんな映画は珍しい。音楽の能力や演技力に拘ってのキャストとのことだが、本当はみうらじゅんの絵に似た顔を持った人を基準に集めたのでは? と思いたくなるほど似ていた。マギーが浮くことを心配するも杞憂に終わった。ディラン役はエンケン。実は映画を観る前に友人と、ディラン役はこの映画の主人公のモデルである愛しの君がやるべきではないか、と話をしていた。エンケンで正解。愛しの君では勤まらないという訳ではなく、愛しの君はリアルなバンドブームの波に乗っていた生き証人という大事な役目があり、ディラン役を演じてしまうと行き証人としての証言ができなくなる。なのでエンケンで正解。三上寛。歌は聴いたことがあったが観たことはなかった。あんなオッサンだったのか。できれば鼻歌でもよかったので、なにか歌って欲しかった。エンディングで、後日談的な「マリッジ」への繋ぎか? と思った。しかし仮に「マリッジ」を撮るならばオノ・ヨーコの許可が必要であり、果たして叶うかどうか。ディランを説き伏せたスタッフたちなら可能か。暫く田口トモロヲとみうらじゅんの動向に期待。

 上記段落はなるべくストーリーに触れないようにした、観ながら持った感想。ここからは鑑賞後の感想。うちのも私も、切ないね……、という言葉を交わしつつ映画館を出た。ストーリーの構造としては、器用な=汚い大人VSモラトリアムな大人。私は日本経済社会を上手く回したいのならば、こういう映画こそ18禁指定にすべきだと思う。もし私がこれを中高生時代に観ていたら、間違いなくモラトリアムな大人に傾向し、器用な大人を軽蔑する。おまいは今もモラトリアムじゃねーか、というツッコミは甘んじて受け止めよう。私は汚い大人が嫌いだ。けれど汚さをも包括できなければ世を渡っていくのは物凄く困難であり、傷つく。それでも汚くなりたくない。傷ついても綺麗な心を残したい。青いのは承知。それでも、青は、綺麗な色だ。大杉漣演じる編集者に格別の嫌悪感を抱いた。大杉漣は好きな役者なので、役者自体・演技自体に嫌悪感を抱いた訳ではない。役柄がとにかく汚かったのだ。そしてそんな現実を私は知っている。編集者を突き動かすものは、無粋な好奇心である。去年末、「FLASH EX」という雑誌が発売された。その中の特集のひとつに、イカ天ブームのその後、といったものがあった。「アイデン&ティティ」の冒頭でインタビューに答えていた半数程のミュージシャンはイカ天出身であり且つその雑誌のインタビューにも登場していた。あんな風にインタビューされたのだろうか……そんな想像が頭を過ぎり、自分迄悔しくなって膝にかけたコートを握り締めた。器用な大人は嫌いだ。汚い大人は大嫌いだ。

 ディランの台詞は全て字幕だった。全て原作に出てきていた台詞だ。ディランの台詞は原作よりもスクリーンで読む方が説得力があった。スクリーンの力なのか、音とあいまった上での力なのかは私には解らない。けれど、どの言葉にも納得をしてしまった。今、私の手元にはパンフレットがある。そこにディランの言葉も多く書かれている。紙媒体で読むと、ディランの台詞にも納得し難いものがある。奇麗事を抜かすな、と反発したくなる言葉もある。なのにスクリーンではしみじみと心に届いた。この違いは何なのだろう。近々、ディランのCDを聴きつつパンフをじっくりと読みたく思う。原作が実家に放置されっぱなしになっているのが悔しい限り。今日、原作をもう一度買おうかと思ったのだが、既に持っていると判っている本を自分で買うのは癪なのでうちのが買うのを待つとする。自称サブカル嫌いのうちの。この手の映画は好まない筈である。それでも私が強引に誘って一緒に観に行った。映画を観て、何か思うところがあったようで、誘った私としては嬉しかった。うちのと付き合って毎年正月に映画を観ている。去年迄とは違い、今年は初めて殺人が絡まない映画を観に行った。殺伐の代わりに青い気持ちを取り戻し、そして今の自分の汚さを鑑みて……じっくりいろいろ考えよう。いつか答えは見つかる筈だ。生きることは悲しいよ、生きることはさわぎだよ。

 明日から1泊2日で温泉旅行。因って、明日の日記はお休み。帰宅後に何かしら書く予定。

服装/長袖カットソー→古着の半袖パフスリーブニット+白い中綿入りロングスカート+スピック&スパンのインポート物グレーのフードつきコート+ピンクのラビットファーマフラー+黒い膝丈編上げブーツ+黒系ポピーバッグ

メイク/アナスイ・ファンデーションプライマー+エスティシャドウ下地+カバマお粉+アナスイ・リキッドアイライナー02→ランコム・マジィーシル02→ランコム・ブラッシュフォーカス13→ケサランパサラン・フェイスカラー(アイブロウ専用に使用)→アナスイ・グロスルージュ(品番失念)

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